2007/9/6 木曜日

[書評]発想する会社 - 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法

Filed under: book, creativity, design — koichiro honda @ 2:11:23

発想する会社を読みました。

the art of innovation

IDEOは世界で最もイノベーティブなプロダクトを提供し続けるデザインファーム。
そのマネージャーが本書でIDEOの過去のプロジェクトの紹介をしています。

彼らの手法は、
徹底した観察から重要なコンセプトを見つけ出し、
とにかく素早くプロトタイプを制作すること。

この思想とプロセスが初めて公開されたのが
ABCのニュース番組Nightlineの中で特集された”Deep Dive”というプロジェクトです。
(第一章で紹介されています)

これは、ABCはIDEOに対して
「たった5日間でショッピングカートをデザインし直す」
という無理難題をふっかけ、そのデザインプロセスを記録したもの。

初日の月曜日には観察と調査、インタビューなどをすべて終わらせ、
火曜日の昼までにはブレストしてコンセプトを決め、
残りの二日間でカートを実際に制作する。
金曜日の朝にカメラが回る。

相当なプレッシャーの中、多彩なメンバーをまとめあげ、
斬新なコンセプトを提案する行動力は圧巻です。
事細かに記されていますが、とても人間業とは思えません。

実際に制作されたものは以下のものなのですが、
「カートを持って歩き回るという従来のショッピングスタイルからの脱却」
というメッセージが込められています。

規格サイズの手提げバスケットが6個収まるようになっていて、
買い物する時は一つもって歩き回ってくればいい。
カートとカートが通路ですれ違うときに持ち上げるなんてことはしなくてもいい。

アメリカのショッピングセンター事情は肌感覚がありませんが、
一週間分を買ったりするという話も聞きますからかなり負担が軽減されるのでしょう。

IDEO Deep Dive

その他にも様々な工夫がされています。詳しくは本を読んでみてください。
また、このABCの放送は実際にDVDで販売されていて、ここで買えるようですよ。

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2007/7/29 日曜日

AXIS vol.128 特集「東京大学先端科学技術研究センター」

Filed under: UT, design — koichiro honda @ 1:53:46

AXIS 2007.8 No.128

今更ですが、AXIS vol.128(2007.8)amazon)を買って読みました。

今回は先端研特集。各分野の先生が研究テーマを紹介しています。

   

個人的に面白かったものの一つは、瀬川先生の「色素増幅太陽電池」。

色素増幅太陽電池は通常の太陽電池よりもエネルギー変換効率が高く。
切っていろいろな形に変形できる。
そして瀬川研が世界で初めて太陽電池そのものに
エネルギー蓄積機能を持たせることに成功した。
今後は30%の変換効率を目指して様々な研究が進められているということ。

瀬川先生には確か駒場で「化学平衡と反応」の講義を受けた気がする。懐かしい。

      

もう一つ面白かったのは、渡邉先生の認知科学。
人間の意志決定の曖昧さを紹介している。

二枚の写真を見せて、好きな方を選ばせる。
そして、手品を使って二枚の写真をすり替えておき、
「好きじゃない方」の写真を手に取らせて、「なぜ好きと思ったか」の理由を聞くと、
「好き」な理由を語り始めるらしい。
しかも、3人に2人以上はすり替わったことに気づかないらしい。

他にもCMの好感度にたいする解析とか、好みの形成についてのお話。

      

いわゆる普通のデザインではないかもしれないけど、面白いです。
買う人は、ちゃんとした本屋に行かないとないので注意。

■巻頭インタビュー
 東京大学先端科学技術センター特任教授 岩井俊雄

■紹介
 今年で設立20執念を迎える東京大学先端科学技術研究センター。設立当初から「学際性」「流動性」「公開性」「国際性」の4つをモットーに掲げ、ほかの大学や研究機関にはない、独自の分野開発と組織作りに取り組んできた。そうした新規の取り組みこそが、”先端”たるゆえんであろう。
 2004年の国立大学法人化を機に、新たな組織作りと、さらに先端の、かつユニークな研究分野へと挑戦を続ける同センター。その組織、人材、研究内容を紹介する。

■目次

  1. 生命知能システム・神崎亮平教授
     -分析、統合、検証をループして、昆虫の潜在能力に迫る
  2. 認知科学・渡邊克己准教授
     -人間の意志はどのように決定されるのか
  3. ケミカルバイオテクノロジー・菅裕明教授
     -生物学に化学的思考を取り入れる
  4. 情報文化社会・御厨貴教授
     -記憶を勝ちある記録として残すオーラル・ヒストリー
  5. 都市環境システム・大西隆教授
     -人口減少時代の都市のあり方を探る
  6. バリアフリー・福島智准教授
     -自らの体験を生かし、社会のバリアを考える
  7. バリアフリー・中邑賢龍特任教授
     -利用者を科学して、障害をサポートする
  8. 人間情報工学・伊福部達教授
     -多彩なアプローチで”人を助ける機械”を創造
  9. エネルギー環境・瀬川浩司教授
     -植物から学ぶ、光エネルギー変換の発想
  10. 製造情報システム・鈴木宏正教授
     -創発に活かすデジタルエンジニアリング
  11. ユビキタス・森川博之教授
     -目に見える形で伝える未来

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2007/6/28 木曜日

[書評]「誰のためのデザイン?」

Filed under: book, user interaface, design — koichiro honda @ 13:25:29

poet

誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論

誰のためのデザインを読みました。

プロダクト・デザインやウェブ・デザイン、
ユーザー・インターフェースの世界では、
読まない人はいない!くらいの名著です。(多分)

1990年に出版された本なので具体例はその時代のものですが、
とても示唆に富んでいます。

以下、書評というか、メモです。

  • 可視性とフィードバック
    • 装置の状態と、どんな操作が出来るかを直感的に理解できること。
    • 操作の結果が眼に見える形でフィードバックされなければならない。
  • アフォーダンス
    • 形状がユーザにとっての意味・役割を規定する。
      • 板のついたドアを見ると、(横にひかずに)迷いなく押す。
      • 傘は晴れているときは杖である。
      • チャリのかごはゴミ箱である。
  • ヒューマン・エラーの大部分はデザインかもしれない
    • 操作の間違いはユーザのせいとされているが、間違いを誘発するデザインが悪い。
    • ユーザはデザインが悪くても間違いが自分の責任だと思っている。
  • ユーザの思い込み
    • 同じことが引き続いて二回おこると、関係ないことでも何か関係があると思い込む。
  • 頭の中の知識と外界にある知識
    • 頭の中の知識 → 自分の持っている知識/記憶/感覚・文化的な慣習
    • 外界にある知識 → ラベルなど
  • 頭の中に知識に逆らってはいけない。
    • 違う配列のキーボードは異常に使いにくいだろう。
    • 時計を反対周りに作ったら読めないだろう。
  • 記憶のしやすさを決めるもの。
    • 恣意的かどうか(例えば数字の列1、4、3、5、19は覚えにくい)
    • 既知のもの(または感覚)と似ているか(立面図は上が奥で下が手前。)
    • 簡単に説明できるか。説明によってすぐわかるか。
  • エラーを想定したデザイン
    • 人間は間違い/勘違いを起こすもの。それを考えてデザインすること。
    • 勘違いの例
      • 乗っ取り型
        • 数を「1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,J,Q,K」と数えてしまう
      • 記述エラー
        • シャツを洗濯もの入れに入れようとしてたらなぜかトイレに投げてた。
      • データ駆動型エラー
        • 電話番号を押そうとして、部屋番号を押す。
      • 連想活性化エラー
        • オフィスの電話に出て、「どうぞお入りください」といった。
      • 活性化消失エラー
        • 忘れ物を取りに家に帰ったらなんで帰ってきたのか忘れた。
  • 強制選択法
    • 間違いを犯してもすぐ気づくように、ある順番でないと実行できないようにする。
  • 変なデザインをしてしまう理由
    • 新規性を求める社会的な圧力
    • かっこよさ第一主義
    • デザイナーは作ったものの専門家
      • デザイナーは自分の作った物について知りすぎているので、ユーザの感覚がわからない。
    • デザイナーの顧客がユーザーと違う。
      • 例えば不動産などの場合、家主や担当者は価格が第一条件。
    • 機能追加主義
      • こんなこともできる、あんなこともできるとなりがち。概して複雑になって使いにくくなる。
    • 間違ったイメージをありがたがる。
      • ユーザ自身が、高くて機能満載なものをほしがる。
      • でも実際はほとんど使わないし必要ないものも多々ある
  • まとめ
    • 難しい作業を単純なものにする七つの原則
      • 外界にある知識と頭の中の知識の両者を利用する
      • 作業の構造を単純化する
      • 対象を眼に見えるようにして、実行と評価のへだたりに橋を架ける
      • 対応付けを正しく行う
      • 自然の制約や人工的な制約など制約の力を活用する
      • エラーに備えたデザインをする
      • 以上がうまく行かないときは標準化する。

全然論理的に分けられていませんが、メモということで許してください。

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2007/6/25 月曜日

Pecha Kucha Night

Filed under: installation, creativity, media art, design — koichiro honda @ 2:20:55

pecha2pecha1

Pecha Kucha Nightとは六本木のクラブSuperDeluxeで行われている
デザイナーやアーティストのイベントです。

東京を拠点に活動していた建築家の
アストリッド・クライン(
Astrid Klein)とマーク・ダイサム(Mark Dytham)
によって2003年に始められました。

若いデザイナー達の発表の場を!という趣旨だったようですが、
幅広いクリエイティブの人々が発表しているみたいです。

Pecha Kuchaぺちゃくちゃ)の由来は、発表のシステムにあります。
各発表者は順に20枚のスライドを各20秒ずつスライドショーで流せます。

みんな急いでがんばって喋るからぺちゃくちゃ、なのかな。
(昨日知ったのですが、学会のポスター紹介もこのシステムでした。)

デザイナー(とか建築家)が場所を借りたり、雑誌の取材を受けなくても
簡単で効率よく発表できる場を作ろうってことでできたみたいです。

実は東京だけじゃなくて、世界80カ国で行われたらしく、
なんでもLondonで行われた時には1600人も観客がいたとか。

1ヶ月半周期でスーパーデラックスでやっているみたいなので、
言ってみてはいかがですか??

外国の方もかなり多いみたいですよ。

Pecha Kucha Night(英語)
クラインダイサムアーキテクツ内の紹介ページ(日本語)
紹介記事(日本語)

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2007/6/21 木曜日

Surround Media Creation - Obsecura Digital

Filed under: installation, muti-touch, inspiration, interaction, creativity, design — koichiro honda @ 19:13:25

obsecura

obsecura digital
http://www.obscuradigital.com/

以前紹介したHPのマルチタッチスクリーンを作った会社。

フェスタとかカンファレンスのブースを作っているみたい。
とりあえず作品集が楽しいのでぜひ。

東京にも支社があるらしい。

そういえば、mixiはどうやら外部ブログの更新頻度が
1日2回もないようなので(14時間おきとか)反映が遅くなってます、すみません。

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2007/6/16 土曜日

Designing Interactions

Filed under: creativity, interaction, book, digital, haptic device, HCI, user interaface, design — koichiro honda @ 23:36:34

Designing Interactions by Bill Moggridge

designinginteractions

世界的なデザインファームIDEOの創始者Bill Moggridgeの著書Designing Interactionsです。先ほど注文しました。

本のHPで各章の内容が少し見ることが出来ますが、ユーザインターフェースの世界ではかなり有名な本みたいです。

Digital Technology has changed the way we interact with everything from the games we play to the tools we use at work.

amazon.co.jpはこちらamazon.comのほうの紹介は次のように書かれています。

このDesigning Interactionsでは数々の賞を受賞しているデザイナーのビル・モッグリッジが、数々のテクノロジーを用いて人間とコンピュータのインタラクションをデザインした40人の著名なデザイナーを紹介している。その全編を通じて、最も成功したデザインファームIDEOの創始者である彼が工業デザインを制作する側の観点から、アイデアがプロダクトになるまでの洗練の過程を追っている。

彼の紹介する人物は多岐にわたり、シムシティを制作したWill Wright、Googleの創始者であるLarry PageとSergey Brin、マウスやデスクトップを発明したDoug EngelbartやBill Atkinsonなど、インタラクションのデザインとして、重要なものばかりである。

本の中でモッグリッジはデザイナーたちと様々な疑問について議論している。例えば「なぜPCはデスクトップの中にウィンドウをもっているのか」「なぜPalmはあれほど成功したのか」「ゲームはなぜ趣味になりえたのか」「なぜGoogleが検索エンジンのトップに立ったのか」「なぜ3000万人もの日本人ががi-modeを使っているのか」などである。また、モッグリッジは自身のデザインの過程やIDEOにおける成功例についても言及しており、人々のニーズや要望からどのように革新的なデザインが想起されるのか、試行錯誤の方法が確立されてきたのかについて語っている。

このDesigning Interactionsは700以上のイラストや写真がフルカラーで差し込まれており、インタビューの様子や、デザインされたインタラクションの豊富な例を収録したDVDが付属されている。

上で紹介されている他に、MIT Media Labの石井裕さん、ジョン前田さん、ソニーのCSLの暦本純一さんも紹介されています。もちろん、HCIといえば、Terry Winogradも。

その紹介の様子も本のHPで少しだけみれます。

早く届いてほしいなー。

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